『The cool roses Jr.LIVE2024~Nice to meet you!~』オフィシャル・ライブ・レポート公開！

　小中学生のためのジュニア・マーチングバンドのクラブチーム『The cool roses Jr.』が初のライブ『The cool roses Jr. LIVE2024~Nice to meet you!~』を 2024年2月25日(日)にカミニシヴィレッジで開催した。
　初めての開催にも関わらず、100名以上のお客様に迎えられ、結成1周年を迎えた子供たちの節目を飾る記念すべき1日。その上、全曲を初めて通すことが出来たのはなんと2日前。その公演の模様を以下にレポートする。

　メンバー登場前、ステージの幕は下がり、その前には、マリンバ等の鍵盤楽器が設置してある。その左右先には、それぞれスピーカーが設置され、鍵盤楽器の間もフロアーステージとして使うことが予想される。その先には、黒のシートが引いてありここからが客席となり、後方には椅子席が用意されている。

　そろそろ開演の時間となったその時、ステージ上にプロデューサーの藤田が登壇する。藤田の口から、「メンバーのヘアメイクに時間がかかっており開演が遅れる。」ことが伝えられた。その時間を利用して、このバンドの立ち上げの経緯や今までの活動等についての話があり気持ちは盛り上がる。そして、開演予定から遅れること20分。最初のベルが会場に響き渡り、影ナレ。その最後にメンバーである子供たちが影ナレで観客を席へと促す。いよいよライブの幕開けだ。

　開幕を飾ったのは、天空の城ラピュタの挿入歌である「ハトと少年」。トランペット四重奏で幕の前で奏でるその音は、不安定ながらも全員のハーモニーが合わさった時の気持ちよさが会場を包む。そんな余韻に浸る間もなく次の曲に。スピーカー横でマーチングスネアドラムを担いだ一人のメンバーが激しく音をかき鳴らす。同時に幕が開かれ、マーチングパーカッションがステージにセットされており、メンバーが続々とステージに表れる。マーチングパーカッションのオリジナル曲である「Sprash Mountain」「Drum March」と立て続けに演奏され、スピーカーから次の曲が流れ始めダンスとフラッグで演技するカラーガードショーが行われる。そして、ブラス、パーカッション、カラーガードの全セクションで「星に願いを」を演奏・演技して ACT1が終了となる。時間はあっという間で、間にMCを挟むことなく、一つのショーとして構成された演目は、子供たちの集中力、精神力、何より素直な心に感服させられる。

　ここで10分間の休憩をはさみACT2へ。

　ライブ後半、カラーガードのライフルを持ったメンバーがフロアーステージの中央へ登場するとライトが変わりスタートする。ライフルを回し始めるとシンバルの音が会場に響きわたり、回転したライフルをキャッチすると同時にバッテリーが入り、「Time To Say Goodbye」の美しいメロディーをフロントピットが奏で始める。美しいバラードの次は、バッテリーとフロントピットというパーカッションだけでのショーが続く。オリジナルの「Crash」だ。曲の終盤には子供たちを指導しているインストラクターで編成された『THE INSTRUCTER STARS』がブラスで参加し曲を締めくくる。そこから、またしても美しいメロディーが奏でられ、ブラスにはトランペット・バリトン、バッテリー、フロントピットそしてカラーガードと全セクションで編成された『THE INSTRUCTER STARS』による「Jupiter」が子供たちの演奏会に華を添える。立て続けにバッテリーだけでの曲が観客を煽る。因みに、この曲はパンフレットには記載がなくアドリブ演奏だ。曲中、フロアーステージにはカラーガードのメンバーが登場し、観客の期待はいやがおうにも高まるが、いつまでも曲が流れない。トラブルか？！数十秒の静寂の後、低いベース音のカウントを合図にスピーカーから「だから僕は音楽をやめた」が流れ始める。このショーは、カラーガードのフラッグやライフル等の手具を一切使わずダンスのみでの構成だ。カラーガードメンバー全員のダンスは迫力があり、特にフロアー床席の観客はそのことを実感したはずだ。そして、シンバルのカウントで最後の曲「聖者の行進」が始まると子供たちの楽しさが伝わる演奏に観客もアンコールを求めて拍手が起こる。

　そんなアンコールにこたえてライブを締めくくったのは、もう一度「聖者の行進」。ここでは、『THE INSTRUCTER STARS』も加わり、子供たちだけの演奏・演技とはまた違う勢いと迫力があり、バンドとしての生を感じ取ることが出来た。最後には、フロアーステージにメンバーである子供たちが整列し『今日は来てくれて、ありがとうございます！』お礼の挨拶をして公演は幕を閉じた。

　終演後には、子供たちが観客の出入り口で観客1人1人にご挨拶をし、そんな子供たちにねぎらいの言葉をかける観客の笑顔に本公演の楽しさと暖かさが垣間見た気がしてならない。

　ブラス、バッテリー、フロントピット、カラーガード…沢山の個性が合わさり、さらに、子供たちは、一つの楽器だけではなく、全員が複数の楽器を演奏・演技するという二刀流、なんなら三刀流の子供たちまでいることは、いかに子供たちの能力は無限であるかを目の当たりにした。何より、確かに知識や技術は大切で自信をつけてくれる。感動は、その先にあり、知識や技術を超えた先にあるということだ。心が心を震わせる。この言葉をもってこのレポートを締めくくろう。

ジャパン・ドリーム・アーツ 藤田朋大